ノブレス・オブリージュとは、高い社会的地位には義務が伴うことを意味するフランス語をいいます。作家開高健は「位高ければ務め多し」と訳した上で、その具体的イメージを次のように述べています。「貴族というのは、つね日ごろは庶民の汗の上にあぐらをかいて、チンタラ、チンタラお城で暮らして美女と戯れ、美酒を飲み、美食に耽ったり、美音に耽ったり、遊ぶことに情念を傾けていたのだが、いったん緩急あって祖国が危機に瀕すると、とたんに女と寝ていたベッドからガバとばかりにはね起き、すがる女の手を振りほどき、二日酔いをかなぐりすて、鎧兜に見をかため、「ハイヨー!」と大声を発し全軍のまっ先かけて突進していった。危険の中へまっ先かけて突進する———これが「ノブレス・オブリージュ」の具体的イメージである。」(知的な痴的な教養講座)
我々が貴族あるいは「偉い人」だなどというつもりは毛頭ありません。ただ、当クラブは日本で3番目に設立されるという輝かしい歴史を有しています。また、当クラブのメンバーは皆、高い社会的地位を持つだけではなく、少なくとも他者のために何かしようという精神的、時間的、経済的余裕をお持ちの方ばかりです。時に心の安寧のため美女(美男)、美酒、美食に現を抜かすことがあったとしても、クラブの歴史、あるいは自己の立場に鑑み、メンバー皆で再度自らの義務を自覚し、さらなる奉仕に励めればとの思いで会長テーマとしました。 以上の会長テーマに基づき、以下のとおり運営していきたいと考えます。
もともと貝の分泌物を染料にしていたことから貝紫色ともいいます。染料として貴重であったようで(ローマ時代は皇帝と元老院議員のローブにだけ使われていたそうです。)、このような名前が付きました。会長テーマにからめ、この色をテーマカラーとしました。
(1)奉仕活動の推進(義務の実行)
当クラブでは、金銭アクティビティを含め様々な奉仕活動をしていますが、クラブメンバーが参加できるアクティビティも多数あります。近年は世情により参加人数が制限されたこともありましたが、もうその必要はありません。役員あるいは担当委員だけではなく皆で楽しく義務を実行できればと思います。
(2)楽しい例会運営(一休み)
義務だけではなく、美食、美音(時に美酒も)を楽しみながら、待ち遠しくなる例会を設営していきたいと思います。社会活動の活発化に伴い、日常業務も忙しいかとは思いますが、できるだけ例会へのご出席をお願いしたいと思います。また、前期に引き続き、これまであまり接点がなかったメンバーともお話しできるよう、例会では原則としてキャビネットにてお席を決めさせていただきたいと考えていますので、ご協力よろしくお願い致します。
(3)強い組織作り
我々が義務を実行し、また時に一休みをするためには、当クラブ自体がしっかりとした組織であることが大前提です。
まず、組織としての硬直化を避けるため、新しいメンバーに入ってもらい、いい意味で組織をかき回していただく必要があります。各メンバーのご推薦に期待すると共に、次年度も神戸青年会議所のイベントに参加する等して、当クラブの存在をアピールしていきたいと考えます。
また、クラブ活動の活発化に加え、近時の円安、インフレにより、クラブ運営に必要な費用が増加しています。お預かりした会費を有効に利用するため、IT化等によりスリム化、効率化できる部分がないか検討していきたいと思います。